LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩)の分析
平成25年3月、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る環境基準の項目にLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩)が追加されました。
総合環境分析では下水及び環境水中のLASの分析を承っております。
【LASとは】
(LAS:Linear Alkylbenzene Sulfonic acid and Linear Alkylbenzene Sulfonete)
界面活性剤の一種でご家庭用洗浄剤などでも使用されています。LASは水生生物への影響が懸念され、亜鉛及びノニルフェノールに続いて水生生物保全に係る環境基準に追加されました。商用のLASはアルキル基の炭素数や結合位置の違いなど20以上の混合物からなります。
水生生物環境基準(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩)
水域 | 類型 | 水生生物の生息状況の適応性 | 基準値 |
河川及び湖沼 | 生物A | イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.03mg/L 以下 |
生物特A | 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.02mg/L 以下 | |
生物B | コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.05mg/L 以下 | |
生物特B | 生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.04mg/L 以下 | |
海域 | 生物A | 水生生物の生息する水域 | 0.01mg/L 以下 |
生物特A | 生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.006mg/L 以下 |
総合環境分析のLAS分析対応
総合環境分析ではLC/MS/MS(液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計)を導入し、分析体制を整えております。また当社は長年に渡り、海水・河川水などの環境水から下水・排水まで幅広い分野で分析業務に対応しており、使用器具や機器、分析工程の管理まで精度管理をしっかり行っておりますので極微量分析にも十分対応が可能でございます。
定量下限値としては、0.0001mg/Lまで対応可能でございます。
納期については8営業日程度を予定しておりますが、試料の種類や状態によって変わりますので、詳しくはお問い合わせ下さい。
【参考】
水生生物の保全に係る水質環境基準の項目追加等に係る環境省告示について(お知らせ)(環境省)
水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件の施行等について
(上記は標準物質のクロマトグラムです。)
試料の採水について
・試料の採水はステンレス等の金属容器を用いて採水します。
・試料採取容器は洗剤は使用せず、水で洗浄しさらにアセトン又はメタノールで洗浄したものを使用します。
・分析に必要な量としましては、1検体につき、最低1リットル以上とし、容器はガラス瓶となります。
・試料の保存方法はガラスビンに入れ冷暗所に保存となります。
LASの分析料金について
LASの分析料金は試料種類や現場採水するか否か等により異なります。お気軽にお問い合わせ下さい。