水道法第4条について
水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(厚生労働省令第101号)により、定められています。
(厚生労働省より)
水道水は、水道法により水質基準に適合したものを提供しなければならず、各水道事業体等には検査が義務付けされています。
水質基準以外にも、水質管理目標設定項目や要検討項目など水質管理上留意するべき項目や毒性評価が定まらない物質があり、最新の情報や知見を収集する必要があります。
水道事業者は、水質基準項目等の検査において水質検査計画を策定し、需要者に情報提供することとなっています。
水道水質基準
水質基準項目は現在51項目とされており、水道法により検査が義務付けられています。
水質管理目標設定項目は27項目あり、要検討項目は46項目あります。
また、水道法第22条により、衛生上の措置として遊離残留塩素を0.1mg/L以上保持することが義務付けられています。
水質基準項目51項目 | 水道水として、基準以下であることが求められる 水道法第4条により、検査が義務付けられている。 |
水質管理目標設定項目27項目 | 今後、水道水中で検出される可能性があるなど、水道管理において留意する必要がある |
要検討項目46項目 | 毒性評価や水道水中での検出実態が定まらない、浄水中の存在量が不明等。 「必要な情報・知見の収集に努めていくべき」とされている |
水質基準項目と基準値(51項目)
水道水は、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合することが必要です。
項目 | 基準 | 項目 | 基準 |
一般細菌 | 1mlの検水で形成される集落数が100以下 | 総トリハロメタン | 0.1mg/L以下 |
大腸菌 | 検出されないこと | トリクロロ酢酸 | 0.03mg/L以下 |
カドミウム及びその化合物 | カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下 | ブロモジクロロメタン | 0.03mg/L以下 |
水銀及びその化合物 | 水銀の量に関して、0.0005mg/L以下 | ブロモホルム | 0.09mg/L以下 |
セレン及びその化合物 | セレンの量に関して、0.01mg/L以下 | ホルムアルデヒド | 0.08mg/L以下 |
鉛及びその化合物 | 鉛の量に関して、0.01mg/L以下 | 亜鉛及びその化合物 | 亜鉛の量に関して、1.0mg/L以下 |
ヒ素及びその化合物 | ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下 | アルミニウム及びその化合物 | アルミニウムの量に関して、0.2mg/L以下 |
六価クロム化合物 | 六価クロムの量に関して、0.02mg/L以下 | 鉄及びその化合物 | 鉄の量に関して、0.3mg/L以下 |
亜硝酸態窒素 | 0.04mg/L以下 | 銅及びその化合物 | 銅の量に関して、1.0mg/L以下 |
シアン化物イオン及び塩化シアン | シアンの量に関して、0.01mg/L以下 | ナトリウム及びその化合物 | ナトリウムの量に関して、200mg/L以下 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 10mg/L以下 | マンガン及びその化合物 | マンガンの量に関して、0.05mg/L以下 |
フッ素及びその化合物 | フッ素の量に関して、0.8mg/L以下 | 塩化物イオン | 200mg/L以下 |
ホウ素及びその化合物 | ホウ素の量に関して、1.0mg/L以下 | カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 300mg/L以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 | 蒸発残留物 | 500mg/L以下 |
1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 | 陰イオン界面活性剤 | 0.2mg/L以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン及び トランス-1,2-ジクロロエチレン |
0.04mg/L以下 | ジェオスミン | 0.00001mg/L以下 |
ジクロロメタン | 0.02mg/L以下 | 2-メチルイソボルネオール | 0.00001mg/L以下 |
テトラクロロエチレン | 0.01mg/L以下 | 非イオン界面活性剤 | 0.02mg/L以下 |
トリクロロエチレン | 0.01mg/L以下 | フェノール類 | フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下 |
ベンゼン | 0.01mg/L以下 | 有機物(全有機炭素(TOC)の量) | 3mg/L以下 |
塩素酸 | 0.6mg/L以下 | pH値 | 5.8以上8.6以下 |
クロロ酢酸 | 0.02mg/L以下 | 味 | 異常でないこと |
クロロホルム | 0.06mg/L以下 | 臭気 | 異常でないこと |
ジクロロ酢酸 | 0.03mg/L以下 | 色度 | 5度以下 |
ジブロモクロロメタン | 0.1mg/L以下 | 濁度 | 2度以下 |
臭素酸 | 0.01mg/L以下 | (空白) | (空白) |
水質管理目標設定項目と目標値(27項目)
水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上留意すべき項目です。
項目 | 目標値 | 項目 | 目標値 |
アンチモン及びその化合物 | アンチモンの量に関して、0.02mg/L以下 | マンガン及びその化合物 | マンガンの量に関して、0.01mg/L以下 |
ウラン及びその化合物 | ウランの量に関して、0.002mg/L以下(暫定) | 遊離炭酸 | 20mg/L以下 |
ニッケル及びその化合物 | ニッケルの量に関して、0.02mg/L | 1,1,1-トリクロロエタン | 0.3mg/L以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004mg/L以下 | メチル-t-ブチルエーテル | 0.02mg/L以下 |
トルエン | 0.4mg/L以下 | 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) | 3mg/L以下 |
フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) | 0.08mg/L以下 | 臭気強度(TON) | 3以下 |
亜塩素酸 | 0.6mg/L以下 | 蒸発残留物 | 30mg/L以上200mg/L以下 |
二酸化塩素 | 0.6mg/L以下 | 濁度 | 1度以下 |
ジクロロアセトニトリル | 0.01mg/L以下(暫定) | pH値 | 7.5程度 |
抱水クロラール | 0.02mg/L以下(暫定) | 腐食性(ランゲリア指数) | -1程度以上とし、極力0に近づける |
農薬類(注) | 検出値と目標値の比の和として、1以下 | 従属栄養細菌 | 1mlの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定) |
残留塩素 | 1mg/L以下 | 1,1-ジクロロエチレン | 0.1mg/L以下 |
カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 10mg/L以上100mg/L以下 | アルミニウム及びその化合物 | アルミニウムの量に関して、0.1mg/L以下 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA) | PFOS及びPFOAの量の和として0.00005mg/L以下(暫定) | (空白) | (空白) |
(注)対象農薬リスト掲載農薬類は 115 物質(農薬についての説明はこちらをご覧ください)
※PFOS,PFOAは令和2年4月1日より要検討項目から水質管理目標設定項目へ変更となりました。
詳しくはペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の分析をご覧ください
要検討項目と目標値(46項目)
毒性評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目、水質管理目標設定項目に分類できない項目です。
項目 | 目標値(mg/l) | 項目 | 目標値(mg/l) |
銀及びその化合物 | – | フタル酸ブチルベンジル | 0.5 |
バリウム及びその化合物 | 0.7 | ミクロキスチン―LR | 0.0008(暫定) |
ビスマス及びその化合物 | – | 有機すず化合物 | 0.0006(暫定)(TBTO) |
モリブデン及びその化合物 | 0.07 | ブロモクロロ酢酸 | – |
アクリルアミド | 0.0005 | ブロモジクロロ酢酸 | – |
アクリル酸 | – | ジブロモクロロ酢酸 | – |
17―β―エストラジオール | 0.00008(暫定) | ブロモ酢酸 | – |
エチニル―エストラジオール | 0.00002(暫定) | ジブロモ酢酸 | – |
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) | 0.5 | トリブロモ酢酸 | – |
エピクロロヒドリン | 0.0004(暫定) | トリクロロアセトニトリル | – |
塩化ビニル | 0.002 | ブロモクロロアセトニトリル | – |
酢酸ビニル | – | ジブロモアセトニトリル | 0.06 |
2,4—トルエンジアミン | – | アセトアルデヒド | – |
2,6—トルエンジアミン | – | MX | 0.001 |
N,N―ジメチルアニリン | – | キシレン | 0.4 |
スチレン | 0.02 | 過塩素酸 | 0.025 |
ダイオキシン類 | 1pgTEQ/L(暫定) | N―ニトロソジメチルアミン(NDMA) | 0.0001 |
トリエチレンテトラミン | – | アニリン | 0.02 |
ノニルフェノール | 0.3(暫定) | キノリン | 0.0001 |
ビスフェノールA | 0.1(暫定) | 1,2,3―トリクロロベンゼン | 0.02 |
ヒドラジン | – | ニトリロ三酢酸(NTA) | 0.2 |
1,2―ブタジエン | – | ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS) | – |
1,3―ブタジエン | – | (空白) | (空白) |
フタル酸ジ(n―ブチル) | 0.01 | (空白) | (空白) |
※詳しくは厚生労働省発表の「水質基準項目と基準値(51項目)」をご確認下さい。
水道水・飲料水検査 / 常水検査
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